文献詳細
文献概要
技術講座 血液
リンパ球系細胞の見方—異型リンパ球と異常リンパ球の違い
著者: 阿南建一12
所属機関: 1福岡大学医学部腫瘍血液感染症内科学 2日本小児白血病リンパ腫研究グループ
ページ範囲:P.1150 - P.1156
文献購入ページに移動●普通染色標本におけるリンパ球の形態は,骨髄ではリンパ球系幹細胞から分化・成熟をたどるリンパ芽球,前リンパ球,リンパ球の形態に着眼し,末梢血ではリンパ球,異型リンパ球,異常リンパ球に着眼します.
●末梢血のリンパ球については,量的異常と質的異常の有無に始まり,反応性もしくは腫瘍性変化を捉える必要があります.反応性変化は一過性の多彩様式の細胞分布を示すのに対し,腫瘍性変化は持続性の単一様式を示します.
●リンパ球系疾患の診断には,リンパ節腫大に伴って増殖したリンパ球の骨髄浸潤の有無や浸潤細胞の反応性,腫瘍性変化を捉えます.反応性変化の多くはリンパ球・異型リンパ球であり,腫瘍性変化は異常リンパ球が範疇とされます.
●異常リンパ球は異型リンパ球に比べ,①N/C比が高い,②核形不整が顕著,③核小体が明瞭,④空胞や突起物の存在,⑤単一様式を示すことなどに着眼して鑑別します.
参考文献
掲載誌情報