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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻12号

2016年11月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生理〉

陰囊超音波検査

著者: 財川英紀1

所属機関: 1済生会宇都宮病院医療技術部 臨床検査科超音波検査課

ページ範囲:P.1200 - P.1204

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はじめに

 陰囊の超音波検査は,比較的簡便で非侵襲性,かつ診断能が高く,第一選択の画像検査である.陰囊疾患は緊急性の高いものが多く,妊孕性を左右するものから腹部疾患との鑑別を要するものまでさまざまで,的確な結果報告と迅速な対応が必要である.

 図1に,男性性器の解剖図と陰囊正常像を示した.超音波上明瞭に描出されるのは陰囊壁,精巣と精巣上体頭部であり,精巣上体体部や尾部は小さいため描出が困難なことが多く,白膜や精管は描出されない.精巣の内部エコーは,高エコーで均一に描出される.

 下記に,当院で経験した比較的典型的な陰嚢疾患の症例を紹介する.ただし,最も急を要する精巣捻転は当院検査室では経験がなく,本稿では割愛した.

 診断装置はAplioTMXG,MX,500(東芝メディカルシステムズ社)を使用し,陰囊用プリセットを選択し,7.5MHzのリニアプローブを用いている.

参考文献

1)河本敦夫:陰囊内容の超音波検査.超音波医 41:665-673,2014
2)下野浩一:骨盤部の超音波検査—男性編.Med Technol 31:1107-1115,2003
3)中島洋介,木村茂三,佐藤通洋:鈍的外力による陰囊および陰囊内臓器損傷の検討—非観血的治療の是非と超音波断層法の有用性について.泌外 8:305-311,1995
4)棚橋善克,千葉裕(編):泌尿器科超音波を使いこなす.メジカルビュー社,pp88-89,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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