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技術講座 微生物
—step up編—Lancefield抗原検査
著者: 加地大樹1
所属機関: 1国保直営総合病院君津中央病院 医療技術局臨床検査科
ページ範囲:P.1236 - P.1241
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●Lancefieldの分類は,レンサ球菌の細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づく血清学的な群別分類であり,A〜V(I,Jは除く)の20群に分類される.
●B群以外のβ溶血性レンサ球菌は同群に複数菌種存在するため,Lancefieldの分類だけでは正確な同定の判定は行えない.
●劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の初期治療には,β溶血性レンサ球菌の分類報告が非常に重要であり,また,操作が簡便でかつ安価である.
●Lancefieldの分類は,レンサ球菌の細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づく血清学的な群別分類であり,A〜V(I,Jは除く)の20群に分類される.
●B群以外のβ溶血性レンサ球菌は同群に複数菌種存在するため,Lancefieldの分類だけでは正確な同定の判定は行えない.
●劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の初期治療には,β溶血性レンサ球菌の分類報告が非常に重要であり,また,操作が簡便でかつ安価である.
参考文献
1)Lancefield RC : A Serological differentiation of human and other groups of hemolytic streptococci. J Exp Med 57:571-595,1933
2)Bert F, Lambert-Zechovsky N : Analysis of a case of recurrent bacteraemia due to group A Streptococcus equisimilis by pulsed-field gel electrophoresis. Infection 25:250-251,1997
3)勝川千尋,田丸亜貴,森川嘉郎:LancefieldのA群抗原を保有するStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis.感染症誌 76:155-160,2001
4)河村好章:医学的に重要な細菌についての分類学 ブドウ球菌とレンサ球菌の分類・この10年の変遷 追補版(〜2013.3).Mod Media 59:183-193,2013
5)池辺忠義,大西真:2012〜2014年に分離された劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症分離株の薬剤感受性.IASR 36:155-156,2015
6)国立感染症研究所:溶血性レンサ球菌感染症 2012年〜2015年6月 1.感染症発生動向調査 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS).IASR 36:147-149,2015(http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/530-disease-based/alphabet/group-a-streptococcus/idsc/iasr-topic/5843-tpc426-j.html)(2016年7月27日アクセス)
7)James V, Karen CC, Guido F, et al (eds) : Manual of Clinical Microbiology, 10th Edition. ASM Press, Washington DC, 2011
8)加地大樹:P-160 血液培養の迅速報告〜MALDI Biotyper導入による更なる迅速化にむけて.第27回日本臨床微生物学会総会・学術集会抄録集,p407,2016
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