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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻13号

2016年12月発行

文献概要

連載 やなさん。・24【最終回】

記憶にないが記録に残った学会発表

著者: 柳田絵美衣1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院病理部先端組織染色センター(KATS)

ページ範囲:P.1279 - P.1279

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「世界学会で口演発表しませんか?」突然の電話にガッツポーズ! 「2演題発表でもいいですよ?」と言われた柳田は,「お願いします!」と即答! そうです,人生初の英語口演発表は2演題! しかし柳田は,英語が苦手! 発音が苦手で,支援活動で海外へ行ったときも柳田の英語は通じない.いつも教授に,「やなさんの発音だと通じないよ.笑える〜」と言われる始末.しか〜し! 負けない! 自分に課題を課すことが大好きな柳田は,「2題の口演発表,望むところだ」と意気揚々.ウム……しかし,どう練習すればよいのだろうか,と悩む柳田に奇跡が起きた.「神戸で1カ月間,研修することになった」と,知り合いの帰国子女が学会発表の3週間前から神戸に来ることになったのだ.自分の強運ぶりに驚きを隠せなかった.

「There are……」「ぜぁ あー」「違うよ.There areだよ」「ぜ,ぜやぁ あぁ?」「いや,There areね」「ぜい やー?」 全然進まない! 「エミィちゃんは“R”の発音ができないよね」厳しいお言葉.一体,何回“There are”を発しただろうか.「進まないから,次いくね」……人間,諦めも大切ですよね.「a marker……」「あ まーかー」「舌を喉の方に丸めてmar,丸めたままでkerだから」簡単に言ってくれるぜ.こんなやりとりを学会前夜にしていた.「明日ですよ,発表.できる気がしませんけど」弱気な柳田に「まぁ,発音なんか気にしなくていいよ」と……え? 今? 今更? いや,余計に英語がトラウマになったんですけど.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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