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ページ範囲:P.169 - P.169
文献購入ページに移動 血液学領域の検査として,従来からの血球数算定・血球形態学的検査に加えて,最先端の生命科学研究の成果を反映した免疫学的検査,染色体・遺伝子検査などが導入されており,その最たる例は造血器腫瘍です.今,重視されている造血器腫瘍のWHO分類では,ヒト造血組織・リンパ組織に発生する全ての腫瘍は遺伝子変異に基づくという理念のもと,細胞起源を同定するための上記の先端検査が重要視されています.しかし,これは決して血球形態学の重要性を否定するものではありませんし,臨床検査技師国家試験においても,血球形態の重要性が問われています.ここでは,血球形態の観察により一目瞭然で診断がつく問題例を解説します.
問題1では,形質細胞が著増しています.形質細胞は免疫グロブリンを分泌する細胞であり,蛋白合成が活発なため(RNAを含む)リボソームが発達し,細胞質は好塩基性が強くなるとともに,分泌装置としてのゴルジ装置が発達しているため,明瞭な核周明庭を認めます.通常,骨髄において,形質細胞が占める割合は1〜2%程度であり,形質細胞が著増しているこの図1枚で,形質細胞の腫瘍である多発性骨髄腫の診断がほぼつきます.
問題1では,形質細胞が著増しています.形質細胞は免疫グロブリンを分泌する細胞であり,蛋白合成が活発なため(RNAを含む)リボソームが発達し,細胞質は好塩基性が強くなるとともに,分泌装置としてのゴルジ装置が発達しているため,明瞭な核周明庭を認めます.通常,骨髄において,形質細胞が占める割合は1〜2%程度であり,形質細胞が著増しているこの図1枚で,形質細胞の腫瘍である多発性骨髄腫の診断がほぼつきます.
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