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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻3号

2016年03月発行

文献概要

技術講座 一般

尿沈渣中にみられる細菌形態の変化

著者: 野崎司1 浅井さとみ2 宮地勇人2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.194 - P.199

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Point

●変形細菌とは,細菌の菌体が細長く伸長したものや,細長く伸長し,一部が球状に膨化した細菌を指す.

●変形細菌は,細胞壁合成阻害薬であるβ-ラクタム系薬使用患者尿でしばしば観察されるが,抗菌薬投与以外でも,pH,温度,浸透圧,バクテリオファージなどの影響で観察されることがある.

●抗菌薬治療中における変形細菌の存在は,治療に使用している抗菌薬が無効であることを意味し,抗菌薬の変更を促す指標となる.

参考文献

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4)和志田裕人,津ヶ谷正行,平尾憲昭,他:Cefotiamの急性膀胱炎に対する臨床効果と尿中E. coliの形態変化について.泌紀 29:1373-1380,1983
5)紺野昌俊:形態変化.上田泰,清水喜八郎(編):β-ラクタム系薬.南江堂,pp48-59,1987
6)野崎司,浅井さとみ,宮地勇人:尿沈渣像—この成分をどう読むか?⑫.Med Technol 41:1302-1306,2013
7)菅野治重:抗菌薬による細菌の形態変化—β-ラクタム系抗菌薬を中心に.検と技 35:437-442,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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