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病気のはなし
血友病
著者: 安本篤史1 矢冨裕1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.272 - P.277
文献購入ページに移動●血友病は血液凝固第Ⅷ因子(血友病A)または第Ⅸ因子(血友病B)の減少または欠損によって引き起こされる先天性出血性疾患である.
●治療薬の開発の歴史のなかで,輸入非加熱高濃縮血液凝固因子製剤の使用でヒト免疫不全ウイルス(HIV)やウイルス性肝炎に多くの患者が感染し,現在も死亡原因の上位を占めている.
●臨床症状は関節内出血や筋肉内出血などの深部出血が特徴的で,繰り返し出血することで関節の変形と拘縮が生じ,著しく生活の質(QOL)を低下させる.
●凝固因子製剤の開発,定期補充療法の普及により生存率は劇的に改善し,治療目標も“生きること”から健常人と同じレベルの生活を送ることへと変化してきている.
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