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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻4号

2016年04月発行

文献概要

病気のはなし

血友病

著者: 安本篤史1 矢冨裕1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.272 - P.277

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Point

●血友病は血液凝固第Ⅷ因子(血友病A)または第Ⅸ因子(血友病B)の減少または欠損によって引き起こされる先天性出血性疾患である.

●治療薬の開発の歴史のなかで,輸入非加熱高濃縮血液凝固因子製剤の使用でヒト免疫不全ウイルス(HIV)やウイルス性肝炎に多くの患者が感染し,現在も死亡原因の上位を占めている.

●臨床症状は関節内出血や筋肉内出血などの深部出血が特徴的で,繰り返し出血することで関節の変形と拘縮が生じ,著しく生活の質(QOL)を低下させる.

●凝固因子製剤の開発,定期補充療法の普及により生存率は劇的に改善し,治療目標も“生きること”から健常人と同じレベルの生活を送ることへと変化してきている.

参考文献

1) 朝倉英策(編):臨床に直結する血栓止血学.中外医学社,pp103-109,2013
2) 白幡聡(編):みんなに役立つ血友病の基礎と臨床.医薬ジャーナル社,2009
3) 血液凝固異常症全国調査運営委員会:厚生労働省委託事業 血液凝固異常症全国調査 平成26年度報告書,2015(http://api-net.jfap.or.jp/library/alliedEnt/02/images/h26_research/h26_research.pdf)(2015年12月28日アクセス)
4) インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン作成委員会:インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン,2013年改訂版.一般社団法人日本血栓止血学会,2013
5) インヒビター保有先天性血友病患者に対する止血治療ガイドライン作成委員会:インヒビター保有先天性血友病患者に対する止血治療ガイドライン,2013年改訂版.一般社団法人日本血栓止血学会,2013
6) 藤井輝久:血友病診療の最前線—症例から学ぶ 血友病止血治療の現況.血液フロンティア 22:21-27,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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