文献詳細
文献概要
疾患と検査値の推移
溶血性尿毒症症候群
著者: 池住洋平1
所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院小児科
ページ範囲:P.314 - P.321
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●溶血性尿毒症症候群(HUS)は溶血性貧血,血小板減少,急性腎不全を3主徴とする症候群で,3主徴と合併症に伴うさまざまな検査異常がみられる.
●下痢を伴う典型的HUSと下痢のない非典型的HUS(aHUS)があり,典型的HUSの多くは志賀毒素(STX)を産生する腸管出血性大腸菌(EHEC)への感染が原因となる.
●血小板減少と乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇は貧血所見や腎機能障害より早く出現し,早期診断の手掛かりになる.また,HUS発症時の白血球増加,C反応性蛋白質(CRP)の上昇,低ナトリウム血症,高ALT血症以上などはHUSの重症化を予測する危険因子である.
●小児の血清クレアチニン値は,年齢や体格によって異なるため,腎機能評価の際には注意が必要である.
●溶血性尿毒症症候群(HUS)は溶血性貧血,血小板減少,急性腎不全を3主徴とする症候群で,3主徴と合併症に伴うさまざまな検査異常がみられる.
●下痢を伴う典型的HUSと下痢のない非典型的HUS(aHUS)があり,典型的HUSの多くは志賀毒素(STX)を産生する腸管出血性大腸菌(EHEC)への感染が原因となる.
●血小板減少と乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇は貧血所見や腎機能障害より早く出現し,早期診断の手掛かりになる.また,HUS発症時の白血球増加,C反応性蛋白質(CRP)の上昇,低ナトリウム血症,高ALT血症以上などはHUSの重症化を予測する危険因子である.
●小児の血清クレアチニン値は,年齢や体格によって異なるため,腎機能評価の際には注意が必要である.
参考文献
1) 溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン作成班(編):溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン.東京医学社,2014
2) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013作成委員会:小児CKDの診断.日本腎臓学会(編):エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013.東京医学社,pp163-177,2013
3) 厚生労働省:腸管出血性大腸菌感染症 感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-03-03.html)(2015年12月18日アクセス)
4) 厚生労働省:腸管出血性大腸菌O26,O103,O111,O121,O145及びO157の検査法について.厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課発1120第1号,2014(http://www.mhlw.go.jp/fine/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/141120-1.pdf)(2016年2月10日アクセス)
5) Kamioka I, Yoshiya K, Satomura K, et al : Risk factors for developing severe clinical course in HUS patients : a national survey in Japan. Pediatr Int 50:441-446,2008
6) Oakes RS, Siegler RL, McReynolds MA, et al : Predictors of fatality in postdiarrheal hemolytic uremic syndrome. Pediatrics 117:1656-1662,2006
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