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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻4号

2016年04月発行

文献概要

オピニオン

臓器移植病理診断におけるone-day-pathologyの重要性

著者: 羽賀博典1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院病理診断科

ページ範囲:P.336 - P.337

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“one-day-pathology”とは

 one-day-pathologyはおそらく和製英語で,英語文献で見かけるsame-day diagnosisとほぼ同じ意味と理解している.ここでは,当日受付したホルマリン固定病理組織検体を,パラフィン包埋・薄切・染色して,同日中に病理診断して報告するシステムを指す.日常の病理標本の作製において固定時間を短縮することは,細胞・組織の形態保持や免疫染色の質に問題が生じる可能性があるため,overnightのホルマリン固定が原則となっている.さらに診断時間の制約は,病理医に心理的負担を与える恐れがある.したがって,標本受付から病理組織診断までは“next day or later”がふつうで,one-day-pathologyが可能な病理検査室であっても,一般的な運用システムとはなっていないのが現状と推察する.

参考文献

1) Nickeleit V : Transplantation Pathology. Cambridge University Press, New York, p48,2009
2) Rockey DC, Caldwell SH, Goodman ZD, et al : American Association for the Study of Liver Diseases. Liver biopsy. Hepatology 49:1017-1144,2009
3) Kalkman S, Bulte JP, Halilovic A, et al : Brief fixation does not hamper the reliability of Ki67 analysis in breast cancer core-needle biopsies : a double-centre study. Histopathology 66:380-387,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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