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敗血症の起炎菌の迅速検出・同定
著者: 仁井見英樹1
所属機関: 1富山大学医学部臨床分子病態検査学講座
ページ範囲:P.366 - P.369
文献購入ページに移動近年,癌治療や臓器移植などの医療の高度化に伴い,重篤な敗血症のリスクが増えている.適切な抗菌薬治療を行い,重篤な患者を救命するためには,患者検体中の起炎菌を可能な限り迅速に検出・同定することが重要である.しかし,現在の一般的な生化学的性状検査法では,検体採取から起炎菌の同定まで通常2〜3日を要する.その結果,広域スペクトルの抗菌薬使用による多剤耐性菌の出現や,抗菌薬の選択ミスにより重篤患者が致死的となる危険性など,感染症早期の治療においてはいまだ重大なリスクを抱えている.われわれはこの問題の解決のために,検体採取後3時間以内に不特定の起炎菌同定を可能とする新たな方法を考案し,誰でも簡便に実施できる検査システムとして構築した.
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