文献詳細
FOCUS
文献概要
はじめに
近年,癌治療や臓器移植などの医療の高度化に伴い,重篤な敗血症のリスクが増えている.適切な抗菌薬治療を行い,重篤な患者を救命するためには,患者検体中の起炎菌を可能な限り迅速に検出・同定することが重要である.しかし,現在の一般的な生化学的性状検査法では,検体採取から起炎菌の同定まで通常2〜3日を要する.その結果,広域スペクトルの抗菌薬使用による多剤耐性菌の出現や,抗菌薬の選択ミスにより重篤患者が致死的となる危険性など,感染症早期の治療においてはいまだ重大なリスクを抱えている.われわれはこの問題の解決のために,検体採取後3時間以内に不特定の起炎菌同定を可能とする新たな方法を考案し,誰でも簡便に実施できる検査システムとして構築した.
近年,癌治療や臓器移植などの医療の高度化に伴い,重篤な敗血症のリスクが増えている.適切な抗菌薬治療を行い,重篤な患者を救命するためには,患者検体中の起炎菌を可能な限り迅速に検出・同定することが重要である.しかし,現在の一般的な生化学的性状検査法では,検体採取から起炎菌の同定まで通常2〜3日を要する.その結果,広域スペクトルの抗菌薬使用による多剤耐性菌の出現や,抗菌薬の選択ミスにより重篤患者が致死的となる危険性など,感染症早期の治療においてはいまだ重大なリスクを抱えている.われわれはこの問題の解決のために,検体採取後3時間以内に不特定の起炎菌同定を可能とする新たな方法を考案し,誰でも簡便に実施できる検査システムとして構築した.
参考文献
1)仁井見英樹:Ⅴ 遺伝子検査の応用 1.血流感染症 (1)血液検体からの起炎菌の直接検出・同定方法の開発.化療の領域 31:1089-1097,2015
2)Niimi H, Mori M, Tabata H, et al : A novel eukaryote-made thermostable DNA polymerase which is free from bacterial DNA contamination. J Clin Microbiol 49:3316-3320,2011
3)Niimi H, Ueno T, Hayashi S, et al : Melting Temperature Mapping Method : A Novel Method for Rapid Identification of Unknown Pathogenic Microorganisms within Three Hours of Sample Collection. Sci Rep 5:12543,2015
掲載誌情報