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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻6号

2016年06月発行

文献概要

病気のはなし

大腸癌

著者: 喜島一博1 森美砂子2 田中淳一1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科 2昭和大学藤が丘病院 生理機能検査室

ページ範囲:P.448 - P.453

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Point

●大腸癌の発生機序として,前癌病変として腺腫が発生し,腺腫の一部が癌化する説(adenoma-carcinoma sequence説)と,正常粘膜から腺腫を介さずに癌化する説(de novo carcinoma説)がある.

●わが国の死因第1位は悪性新生物であるが,大腸癌はそのうち第3位であり,大腸癌を原因とする死亡数は年間48,000人を超えた.特に女性の癌死因の1位である.

●ごく表層の癌であればリンパ節転移の可能性はなく,内視鏡的切除で根治が望める.一方,遠隔転移を認めるStage Ⅳ症例の5年生存率は2割を切る.早期発見,早期治療が重要である.

参考文献

1)Winawer SJ, Zauber AG, Ho MN, et al : Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. The National Polyp Study Workgroup. N Engl J Med 329:1977-1981,1993
2)Zauber AG, Winawer SJ, O'Brien MJ, et al : Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. N Engl J Med 366:687-696,2012
3)津金昌一郎:大腸がんの疫学に関する最近の話題.癌と化療 36:1814-1818,2009
4)国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究グループ:科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究(http://epi.ncc.go.jp/can_prev/)(2016年2月2日アクセス)
5)国立がん研究センターがん情報サービス:がん登録・統計(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html)(2016年2月2日アクセス)
6)飯沼元,三宅基隆:消化管CT三次元診断の現状と将来展望.日消誌 108:899-907,2011
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8)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン,医師用2014年版.金原出版,2014
9)Kitajima K, Fujimori T, Fujii S, et al : Correlations between lymph node metastasis and depth of submucosal invasion in submucosal invasive colorectal carcinoma : a Japanese collaborative study. J Gastroenterol 39:534-543,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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