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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻6号

2016年06月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

著者: 唐澤正光1

所属機関: 1公立碓氷病院内科

ページ範囲:P.472 - P.476

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Point

●自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は,赤血球表面の抗原に対する自己抗体の産生により溶血が起こる.

●溶血貧血では,血清間接ビリルビン,LDHは増加し,ハプトグロビンは低下する.骨髄の赤芽球と末梢血の網赤血球の比率はともに上昇する.

●自己抗体の至適反応温度により,温式抗体による温式AIHAと冷式抗体による冷式AIHAに分類される.

●AIHAはクームス(Coombs)試験(抗グロブリン試験)が陽性となることが多く,診断に有効である.

●治療の第一選択は副腎皮質ステロイドである.

参考文献

1)特発性造血障害に関する調査研究班:自己免疫性溶血性貧血 診療の参照ガイド(平成25年度改訂版),2013(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H25/5.pdf)(2016年2月9日アクセス)
2)Gehrs BC, Friedberg RC : Autoimmune hemolytic anemia. Am J Hematol 69:258-271,2002
3)唐沢正光,横濱章彦:Coombs試験陰性の自己免疫性溶血性貧血の診断.内科 112:235-237,2013
4)Lechner K, Jäger U : How I treat autoimmune hemolytic anemias in adults. Blood 116:1831-1838,2010
5)Barcellini W, Fattizzo B, Zaninoni A, et al : Clinical heterogeneity and predictors of outcome in primary autoimmune hemolytic anemia : a GIMEMA study of 308 patients. Blood 124:2930-2936,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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