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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻7号

2016年07月発行

文献概要

病気のはなし

急性肝炎(ウイルス性肝炎)

著者: 鈴木文孝1

所属機関: 1虎の門病院肝臓センター

ページ範囲:P.560 - P.564

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Point

●急性肝炎とは種々の原因により生じる急性の肝機能障害で,肝機能異常の持続が6カ月以内のものをいう.

●肝炎ウイルスのなかで,A型とE型肝炎ウイルスは経口感染であり,汚染された水,食物を介して感染する.B型,C型,D型肝炎ウイルスは血液,体液を介して感染し,輸血・性行為・出産・針刺し事故・昔の医療行為などによって感染が成立する.

●症状としては,発熱,咽頭痛,頭痛などの感冒様症状などの前駆症状,黄疸,褐色尿,食欲不振,嘔気・嘔吐,全身倦怠感,発熱,腹痛,関節痛,発疹などがある.

●治療は,入院,安静を原則とする.臥床安静により肝血流の増加を促し,肝障害の治癒を促す.食事は糖類を主体にカロリー補給し,1日1,800kcal前後とする.一般的に薬物治療としては,急性期では,食欲不振,全身倦怠感を訴えることが多いため,補液として輸液を行う.劇症化が疑われる場合には,早急に劇症肝炎の治療が必要となる.

参考文献

1)岡部信彦,森伸生:日本での急性肝炎の現状—感染症発生動向調査成績より.小俣政男,真弓忠,吉澤浩司:第123回日本医学会シンポジウム ウイルス肝炎.日本医学会,pp6-12,2003
2)Suzuki Y, Kobayashi M, Ikeda K, et al : Persistence of acute infection with hepatitis B virus genotype A and treatment in Japan. J Med Virol 76:33-39,2005
3)Kamar N, Selves J, Mansuy JM, et al : Hepatitis E virus and chronic hepatitis in organ-transplant recipients. N Engl J Med 358:811-817,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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