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病気のはなし
急性肝炎(ウイルス性肝炎)
著者: 鈴木文孝1
所属機関: 1虎の門病院肝臓センター
ページ範囲:P.560 - P.564
文献購入ページに移動●急性肝炎とは種々の原因により生じる急性の肝機能障害で,肝機能異常の持続が6カ月以内のものをいう.
●肝炎ウイルスのなかで,A型とE型肝炎ウイルスは経口感染であり,汚染された水,食物を介して感染する.B型,C型,D型肝炎ウイルスは血液,体液を介して感染し,輸血・性行為・出産・針刺し事故・昔の医療行為などによって感染が成立する.
●症状としては,発熱,咽頭痛,頭痛などの感冒様症状などの前駆症状,黄疸,褐色尿,食欲不振,嘔気・嘔吐,全身倦怠感,発熱,腹痛,関節痛,発疹などがある.
●治療は,入院,安静を原則とする.臥床安静により肝血流の増加を促し,肝障害の治癒を促す.食事は糖類を主体にカロリー補給し,1日1,800kcal前後とする.一般的に薬物治療としては,急性期では,食欲不振,全身倦怠感を訴えることが多いため,補液として輸液を行う.劇症化が疑われる場合には,早急に劇症肝炎の治療が必要となる.
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