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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻7号

2016年07月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

自動分析機からの生化学・血算などの数値データの検査結果について,前回値との乖離はどのようなアルゴリズムで自動検出されるのですか?

著者: 酒本美由紀1

所属機関: 1九州大学病院検査部

ページ範囲:P.622 - P.625

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はじめに

 臨床検査データは分析機の自動化・多項目化に伴い膨大なデータとなっていますが,個々の患者データは,全ての結果をリアルタイムに確認し,緊急検査・診察前検査に対応できるように迅速に報告しなければなりません.検査室では管理血清の測定を行う内部精度管理でデータを保証していますが,それだけでは個々のデータの管理には不十分ともいえます.そこで,個々のデータの管理方法として,患者データの今日のデータと直近で測定した前回のデータを比較し,その検査データが変化なければ即座に臨床へ報告し,変化があれば関連項目の確認や再検査などを行い妥当性の判断を行って臨床へ報告する,前回値チェックと呼ばれる結果の自動判定システムを多くの施設で導入しています.

 個別データの管理の手法は,前回値チェックに加えて異常値(low・high)チェック,極異常値(パニック値)チェック,項目間相互チェックなどが用いられていますが,今回は,データがなぜ変動するのかということを踏まえて,前回値チェックの設定方法を紹介します.

参考文献

1)栢森裕三:分析前後段階の精度保証のための標準化指針.臨化 37:33-35,2008
2)久米均,飯塚悦功:多変量管理図の臨床化学検査への応用について.臨病理 29:176-178,1981
3)松岡明,古屋洋一,仁科甫啓,他:検体取り違い発見のための累積デルタチェック法.臨病理 34:221-226,1986
4)千葉正志:臨床検査のための情報処理技術の進歩 臨床検査情報の収集とデータマイニング データマイニングの事例 出現実績ゾーン法.臨検 49:1459-1464,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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