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雑誌文献

検査と技術44巻8号

2016年08月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

硝酸ランタン液を省略した改良ガリアス・ブラーク法

著者: 国仲伸男12 日吾雅宜2 新野史2 村山繁雄3 齊藤祐子1

所属機関: 1国立開発研究法人国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部 2独立行政法人国立病院機構横浜医療センター 臨床検査科 3東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンク

ページ範囲:P.712 - P.715

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はじめに

 改良ガリアス・ブラーク(Gallyas-Braak)法(以下,従来法)1)はアルツハイマー病などの神経原線維変化(neurofibrillary tangle:NFT)のみならず,多系統萎縮症のグリア,神経細胞それぞれの細胞質内・核内封入体,嗜銀顆粒性認知症の嗜銀顆粒(argyrophilic grains:AGs)などの検出に不可欠な染色法である.なかでも細胞体内・核内封入体はボディアン(Bodian)染色では見逃しやすく,AGsはボディアン染色では染まらないことから,その有用性は高い.さらに,ほかの鍍銀染色と異なり,正常組織は染まらないため,異常凝集物の分布をみるのに適している.しかし,試薬や工程の多さなどから習熟した技術が要求され,一般の病理検査では敬遠されがちな染色法でもある.

 筆者らは,硝酸ランタン液を省略することで,改良ガリアス・ブラーク法がより簡易的になる方法(以下,簡易法)を検討したので紹介したい.

参考文献

1)羽賀千恵,池田研二:改良ガリアス・ブラーク法.水口國雄(編):最新 染色法のすべて.医歯薬出版,pp172-175,2011
2)Braak H, Braak E, Ohm T, et al : Silver impregnation of Alzheimer's neurofibrillary changes counterstained for basophilic material and lipofuscin pigment. Stain Technol 63:197-200,1988
3)Gallyas F : Silver staining of Alzheimer's neurofibrillary changes by means of physical development. Acta Morphol Acad Sci Hung 19:1-8,1971
4)東昇(監修),松本明:微細構造固定のためのマーカー導入法.電子顕微鏡研究の実際—生物学・医学を中心として.近代出版,pp123-124,1979
5)Kuninaka N, Kawaguchi M, Ogawa M, et al : Simplification of the modified Gallyas method. Neuropathology 35:10-15,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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