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文献詳細

雑誌文献

検査と技術44巻9号

2016年09月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

少量のSternheimer染色液で尿沈渣標本を作製するコツ

著者: 星雅人12

所属機関: 1現・藤田保健衛生大学医療科学部 臨床検査学科 2前・鈴鹿医療科学大学保健衛生学部医療栄養学科 臨床検査コース

ページ範囲:P.806 - P.807

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はじめに

 尿沈渣検査の鏡検は,原則として無染色である.無染色標本で観察するメリットとして,細胞量や形態的な変化が少なく,血球類や細菌,結晶類などの観察に適していることが挙げられる.一方で,無染色ではある程度の熟練した経験がないと円柱類を見落とすことや,異型細胞の判別に苦慮することがデメリットと考えられる.

 尿沈渣の染色法として,多くの施設でSternheimer染色(以下,S染色)またはSternheimer-Malbin染色が用いられている.これらの染色法は約半世紀ほど前に開発され,尿沈渣検査の発展に大きく貢献してきた1,2).現在では「尿沈渣検査法2010」3)において,S染色液を用いる場合,尿沈渣と4:1程度の比率で使用することが望ましいと記載されている.実際には,「尿沈渣検査法2010」3)に従い尿沈渣検体(200μL)を作製し,そこにS染色液を1滴(約50μL)滴下することで染色することが多いと思われる.

 本誌では,少量のS染色液を用いて,尿沈渣標本(無染色標本およびS染色標本)を作製するコツについて紹介する.

参考文献

1)Sternheimer R, Malbin B : Clinical recognition of pyelonephritis, with a new stain for urinary sediments. Am J Med 11:312-323,1951
2)Sternheimer R : A supravital cytodiagnostic stain for urinary sediments. JAMA 231:826-832,1975
3)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会:尿沈渣検査法2010.日本臨床衛生検査技師会,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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