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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻1号

2017年01月発行

文献概要

技術講座 病理

臨床検査室から排出される廃液の処理方法

著者: 金子千之1 加藤好光1 堤寛2

所属機関: 1藤田保健衛生大学医療科学部臨床検査学科 2藤田保健衛生大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.32 - P.37

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Point

●排液は有機溶剤(アルコール,キシレン),色素類,銀液,塩化金と区別され,ホルムアルデヒド(FA)は発がん性物質で特化則第3類から第2類物質となり,規制が強化された.水銀,銀液などやクロム酸を含有する試薬の廃液方法と回収方法を把握する.

●有機溶剤を扱っている病理検査部(病院,基礎医学教室および教育機関)では,特定化学物質作業主任者と有機溶剤作業主任者,およびそれぞれの職務内容と,有機溶剤の取り扱い上の注意事項を掲示し,注意喚起する.

●有機溶剤を使用する施設(検査部,基礎医学教室,教育機関)では,人体に及ぼす影響,中毒発生時の応急措置,さらに,実験者が容易に知ることができるように有機溶剤を色分け(第1種有機溶剤:赤,第2種有機溶剤:黄,第3種有機溶剤:青)したものを,見やすい場所に表示する.

参考文献

1)堤寛:医療機関等に置ける医療廃棄物処理例 C.病理部門.臨病理レビュー 133:66-73,2005
2)清水秀樹,羽島努:病理診断業務における職業環境改善の流れと法的背景—化学物質について.第55回日本臨床細胞学会秋期学術大会,p497,2015
3)特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律.平成11年法律第86号,2001
4)平澤浩,堤寛:病理診断部門における環境安全:感染対策,廃棄物対策,有機溶剤の取り扱い.病理と臨 26:35-41,2008
5)清水秀樹:キシレンの取り扱い—労働衛生教育からのアプローチ.病理技術 70:18-21,2007
6)堤寛:試薬・溶液類のリユース・リサイクル—環境に優しい病理診断業務.病理と臨 23:661-666,2005
7)厚生労働省安全衛生部化学物質調査課(編):有機溶剤作業主任者テキスト,第10版.中央労働災害防止協会.pp1-473,2005
8)堤寛:ホルマリン液の適正廃棄.病理と臨 18:1129-1132,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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