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疾患と検査値の推移
自己免疫性肝炎—抗核抗体,抗平滑筋抗体,抗LKM-1抗体
著者: 小池和彦1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院消化器・肝臓内科
ページ範囲:P.50 - P.57
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●自己免疫性肝炎(AIH)の病因は不明であるが,肝障害の発症と病態の進展には何らかの自己免疫機序の関与が想定されている.
●肝炎ウイルス検査が陰性であり,さらに免疫グロブリンの上昇や抗核抗体(ANA),抗平滑筋抗体(ASMA),抗LKM-1抗体などの自己抗体が陽性となることが特徴の肝障害である.
●出現する自己抗体の種類によって病型が分類され,病型により副腎皮質ステロイド治療の反応性,臨床像や予後が異なる.
●適切な診断のもと副腎皮質ステロイド治療を行えば,わが国の多くの症例の予後は良好である.
●自己免疫性肝炎(AIH)の病因は不明であるが,肝障害の発症と病態の進展には何らかの自己免疫機序の関与が想定されている.
●肝炎ウイルス検査が陰性であり,さらに免疫グロブリンの上昇や抗核抗体(ANA),抗平滑筋抗体(ASMA),抗LKM-1抗体などの自己抗体が陽性となることが特徴の肝障害である.
●出現する自己抗体の種類によって病型が分類され,病型により副腎皮質ステロイド治療の反応性,臨床像や予後が異なる.
●適切な診断のもと副腎皮質ステロイド治療を行えば,わが国の多くの症例の予後は良好である.
参考文献
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