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臨床検査のピットフォール
染色体分染法のピットフォール—間期核FISH法との乖離
著者: 高橋裕之1
所属機関: 1旭川医科大学病院臨床検査・輸血部
ページ範囲:P.68 - P.71
文献購入ページに移動はじめに
分染法による染色体検査は,細胞が有糸分裂する際の分裂細胞を顕微鏡下で観察している.造血細胞は,ある一定の周期で分裂し増殖していると考えられており,十分な細胞数があれば,通常行われている骨髄短期培養にて,分析に必要な数の分裂像が得られることが多い.しかし,腫瘍細胞のなかには細胞周期が正常造血細胞と大きく異なる例も存在し,分裂時期を通常の培養法では捉えられない場合がある.一方,間期核FISH(fluorescence in situ hybridization)法は,細胞周期に影響されることなく,目的とする染色体異常を検出しうる方法である.
本稿では,分染法による染色体検査で異常が認められず,間期核FISH法において染色体異常を検出し得た,染色体検査のピットフォールについて解説する.
分染法による染色体検査は,細胞が有糸分裂する際の分裂細胞を顕微鏡下で観察している.造血細胞は,ある一定の周期で分裂し増殖していると考えられており,十分な細胞数があれば,通常行われている骨髄短期培養にて,分析に必要な数の分裂像が得られることが多い.しかし,腫瘍細胞のなかには細胞周期が正常造血細胞と大きく異なる例も存在し,分裂時期を通常の培養法では捉えられない場合がある.一方,間期核FISH(fluorescence in situ hybridization)法は,細胞周期に影響されることなく,目的とする染色体異常を検出しうる方法である.
本稿では,分染法による染色体検査で異常が認められず,間期核FISH法において染色体異常を検出し得た,染色体検査のピットフォールについて解説する.
参考文献
1)木崎昌弘,田丸惇一(編),押味和夫(監):WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学.中外医学社,pp257-263,2009
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