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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻10号

2017年10月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

術中迅速病理診断の凍結標本形状を維持したパラフィン永久標本作製法

著者: 大森康旨1 菅井祝1 西村知己1 守安岳征1 奥野知子1 白瀬智之1 雑賀興慶12

所属機関: 1大津赤十字病院病理診断科 2東近江市立能登川病院臨床検査科

ページ範囲:P.1188 - P.1190

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はじめに

 通常,病理組織検査では組織採取から診断までに約3〜4日を要する.一方,術中迅速病理診断(以下,術中診断)は約10〜15分で行うことができ,手術中における重要な役割を担っている.

 術中診断後の凍結標本は,解凍後ホルマリン固定され,パラフィン包埋ブロック標本となる.ここから作製されたいわゆる“戻し”永久標本〔HE(hematoxylin eosin)染色〕と術中凍結標本(HE染色)を比較し,診断の再確認を行う.しかし,凍結標本の薄切面を維持しながら永久標本を作製することは,かなり困難な作業であり,凍結標本と永久標本の一方でしか癌組織が確認できないことも時に経験する.

 本稿では,市販の凍結組織用包埋剤(以下,包埋剤)にアルギン酸ナトリウム(以下,アルギン酸Na)を加えることで,凍結標本の形状を維持したまま,永久標本の作製が可能となる方法を考案したので標本作製時の参考にしていただきたい.

参考文献

1)尾関順子,柴田典子,植田菜々絵,他:細胞診検体を応用した遺伝子検査.検と技 42:33-40,2014
2)Ichihara S, Hasegawa M, Iwakoshi A, et al : Use of alginate gel in the pathological work-up of the endoscopically resected mucosal lesions. Virchows Arch 458:115-116,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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