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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻10号

2017年10月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

術中体腔洗浄細胞診検体を直ちに検査室に届けることができず,冷蔵保存したまま放置してしまいました.細胞診の診断にどのような影響がありますか? 

著者: 羽原利幸1 三浦弘守2 山代翔大1 門田有紗1 海原恭子1 都地友紘1 園部宏3

所属機関: 1公立学校共済組合中国中央病院臨床検査科 2東北大学病院病理部 3岡山労災病院病理診断科

ページ範囲:P.1191 - P.1195

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術中体腔洗浄細胞診

 術中体腔洗浄細胞診は,悪性腫瘍の手術中に胸腔内や腹腔内を生理食塩水で洗浄後,回収した検体中に悪性細胞がみられるかどうかを確認する検査である.その結果によっては術式の変更を伴う場合があるため,手術中に迅速な結果報告を要求されることも少なくない.また本細胞診は,術後の化学療法の選択や腹膜再発リスクを予測するためにも重要な検査である.胃癌と卵巣癌では,それぞれの取扱い規約1,2)で,腹腔洗浄細胞診の結果が進行度に反映された内容になっており,胃癌では悪性細胞が認められた場合は進行度がStageⅣで,腹腔内に明らかな播種巣がなくても,癌の顕微鏡的遺残があるとみなされる.

参考文献

1)日本胃癌学会(編):胃癌取扱い規約,第14版.金原出版,2010
2)日本産科婦人科学会,日本病理学会(編):卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約,病理編,第1版.金原出版,2016
3)北村隆司,那須直美,楯玄秀,他:乳腺穿刺細胞診の新たな針洗浄法—その方法の確立と,他の針洗浄法との比較検討.日臨細胞会誌 39:170-178,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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