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血清TARCの有用性
著者: 金子栄1
所属機関: 1島根大学医学部皮膚科
ページ範囲:P.1315 - P.1317
文献購入ページに移動TARCとは
TARC(thymus and activation-regulated chemokine)は,特定の白血球を遊走させるケモカインの1つで,71個のアミノ酸より構成される蛋白質である.ケモカインはG蛋白質共役型受容体を介してその作用を発現する塩基性蛋白質であり,サイトカインの一種である(図1)1,2).白血球などの遊走を引き起こし,炎症の形成に関与する.ケモカインは50種類以上が同定されているが,構造上の違いからCCケモカイン,CXCケモカイン,CケモカインおよびCX3Cケモカインに分類されている.TARCはCCケモカインであり,系統的名称としてCCL17とも呼称され,そのリガンドはCCR4受容体であり,この受容体は2型ヘルパーT(type 2 helper T:Th2)細胞にしか発現しないとされている2).
TARC(thymus and activation-regulated chemokine)は,特定の白血球を遊走させるケモカインの1つで,71個のアミノ酸より構成される蛋白質である.ケモカインはG蛋白質共役型受容体を介してその作用を発現する塩基性蛋白質であり,サイトカインの一種である(図1)1,2).白血球などの遊走を引き起こし,炎症の形成に関与する.ケモカインは50種類以上が同定されているが,構造上の違いからCCケモカイン,CXCケモカイン,CケモカインおよびCX3Cケモカインに分類されている.TARCはCCケモカインであり,系統的名称としてCCL17とも呼称され,そのリガンドはCCR4受容体であり,この受容体は2型ヘルパーT(type 2 helper T:Th2)細胞にしか発現しないとされている2).
参考文献
1)Kakinuma T, Nakamura K, Wakugawa M, et al : Thymus and activation-regulated chemokine in atopic dermatitis : Serum thymus and activation-regulated chemokine level is closely related with disease activity. J Allergy Clin Immunol 107:535-541,2001
2)Imai T, Yoshida T, Baba M, et al : Molecular cloning of a novel T cell-directed CC chemokine expressed in thymus by signal sequence trap using Epstein-Barr virus vector. J Biol Chem 271:21514-21521,1996
3)日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版.日皮会誌 126:121-155,2016
4)三原祥嗣:アレルギー性皮膚疾患—アトピー性皮膚炎,暮麻疹の重症度と診断の客観的評価法.アレルギー 61:10-17,2012
5)Komatsu-Fujii T, Chinuki Y, Niihara H, et al : The thymus and activation-regulated chemokine (TARC) level in serum at an early stage of a drug eruption is a prognostic biomarker of severity of systemic inflammation. Allergol Int pii:S1323-8930(17)30065-5,2017
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