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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻12号

2017年12月発行

文献概要

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解答と解説

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ページ範囲:P.1345 - P.1345

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 脂質は基本的に単独では血液に溶けないため,蛋白質と結合して血液中に存在しています.この複合体をリポ蛋白(lipoprotein)といい,水に親和性が乏しいトリグリセリド(triglyceride:TG)やエステル型コレステロールを中心部(芯)にして,外郭を水と親和性のあるリン脂質(phospholipid:PL)が取り囲む構造を作っています.遊離型コレステロールは,外郭にあるPL層に分布しています.蛋白質は,脂質二重構造をした粒子に結合してリポ蛋白という複合体を形成しています.リポ蛋白に結合している蛋白質の大部分はアポ蛋白と呼ばれ,アルファベットの名前が付けられており,リポ蛋白の構造を維持し,また調節も行っています.

 血中のリポ蛋白は,5つのサブクラスに分類され,リポ蛋白の名前は古典的な分離方法である超遠心法の用語に由来します.それぞれのリポ蛋白は比重で定義され,比重の軽いものほど粒子径が大きく,TGの含量が多いことになります.逆に比重が重いものほど蛋白質の含量が多く,粒子径が小さいことになります.血清中の総コレステロール(total cholesterol:TC)やTGは,それぞれのリポ蛋白に含まれる脂質成分の総和を表しています.問題1のアポA1を含有するリポ蛋白は,カイロミクロン(chylomicron:CM)(選択肢1)と高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein:HDL)(選択肢5)となります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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