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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻2号

2017年02月発行

文献概要

COFFEE BREAK

アドレナリンのもう一人の発見者から学ぶこと

著者: 中木龍夫1

所属機関: 1広島市立舟入市民病院

ページ範囲:P.168 - P.168

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 いつの世も,世紀の大発見の陰には,それを支えた人たちがいる.ホルモンの結晶がまだ抽出されていない時代に,世界で最初にアドレナリンの結晶抽出に成功した分析化学者,上中啓三氏もその一人である.

 20世紀の扉に手をかけた頃,高峰譲吉博士(タカジアスターゼの発見者で化学者・実業家)は,米国の製薬会社パーク・デイビス社から副腎エキスの有効成分抽出を委託され,2年も研究を重ねていたが行き詰まっていた.このため,エフェドリンの発見者,長井長義教授の指導を受けたことがある,24歳の分析化学の専門家,上中を助手として採用した.彼は,わずか半年足らずで,世界の名だたる科学者が先陣を争っていた,副腎エキスからの純粋結晶抽出に成功したのだった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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