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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻3号

2017年03月発行

文献概要

増刊号 一般検査ベーシックマスター 第1部 基礎から学ぼう一般検査

穿刺液検査—胸水・腹水,関節液

著者: 保科ひづる1

所属機関: 1諏訪中央病院技術部検査科

ページ範囲:P.268 - P.276

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はじめに

 胸腔・腹腔および関節腔から得られた穿刺液検体については,検査は行われているが検査マニュアルとしては示されていない.今回,見直したい検査項目などを含め,細胞数算定や分画などの検査結果を診療へ導けるように解説したい.胸腔や腹腔,関節腔は,中皮細胞または滑膜細胞で覆われ,通常でも少量の液が潤滑剤として存在し,胸水・腹水は腔内の臓器の摩擦や癒着を防いで保護し,関節液は関節の潤滑作用と軟骨の栄養補給をしている.胸水や腹水は,胸腔や腹腔内の血管内静水圧と血漿膠質浸透圧とのバランスで均衡を保って一定量に保たれているが,そのバランスが崩れると貯留してくる.関節液は,滑膜が何らかの原因で炎症を起こした場合に,増量して貯留する.穿刺液検査は,その貯留原因を突き止め,治療へと結びつけるために施行される.

参考文献

1)Cheng DS, Rodriguez RM, Rogers J, et al : Comparison of pleural fluid pH values obtained using blood gas machine, pH meter, and pH indicator strip. Chest 114:1368-1372,1998
2)Light RW, Macgregor MI, Luchsinger PC, et al : Pleural effusions : the diagnostic separation of transudates and exudates. Ann Intern Med 77:507-513,1972
3)伊藤機一(監修),稲垣清剛,稲垣勇夫(著):一般検査領域における穿刺液細胞アトラス.医歯薬出版,1994
4)保科ひづる,牛山英俊:多項目自動血球分析装置XE-5000による関節液測定の試み.日本臨床検査自動化学会第45回大会抄録集 38:553,2013
5)保科ひづる,横山史乃,宮坂知香:当院における関節液検体の検討.第63回日本医学検査学会抄録集.p276,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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