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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻3号

2017年03月発行

文献概要

増刊号 一般検査ベーシックマスター 第2部 一般検査の「質」を保つTips&Techniques Situation 3—結果と報告 尿検査

異型細胞を認めたときは,こうやって進めよう

著者: 横山貴1

所属機関: 1東京女子医科大学病院中央検査部

ページ範囲:P.380 - P.383

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Quality Controlのために

 尿沈渣検査において異型細胞として取り扱う細胞は,基本的には「悪性細胞」または「悪性を疑う細胞」である1).正常な細胞と鑑別するためには,正常細胞の特徴を十分に把握することが重要である.ビギナーが陥りがちなミスとしては,カテーテル挿入後,尿路感染症,尿路結石症や治療にともなう核クロマチンの変性をクロマチンの増量として認識し,「悪性細胞」または「悪性を疑う細胞」と誤判定してしまうことである.このようなことがないように,なかなか容易ではないが,日頃から異型細胞と報告した場合は,その後,本当に異型細胞であったのか,それとも良性細胞であったのかを,カルテなどを閲覧し患者背景や他の検査結果などを確認することが重要である.これにより,異型細胞の鑑別スキルが向上する.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会 尿沈査検査法編集委員会:尿沈査検査法2010.日本臨床衛生検査技師会,2011
2)日本臨床細胞学会:細胞診ガイドライン 1 婦人科・泌尿器科 2015年版.金原出版,2015
3)横山貴,田邉一成:検尿ノススメ 尿中マクロファージ(大食細胞)の臨床的意義.Nephrol Fronti 7:53-56,2008
4)横山貴:現場発信!解消します,担当者が抱える異型細胞鑑別の不安.東京都医学検査 44:193-198,2016
5)田中雅美:基礎から学ぼう一般検査 尿沈渣検査(上皮細胞).検と技 42:336-344,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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