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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻3号

2017年03月発行

文献概要

増刊号 一般検査ベーシックマスター 第2部 一般検査の「質」を保つTips&Techniques Situation 3—結果と報告 尿検査

—こんな症例と遭遇したとき,あなたならどうする?—尿中に食物残渣を認める尿が提出された場合

著者: 梶明香1

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター中央検査部

ページ範囲:P.390 - P.391

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Quality Controlのために

 尿中に食物残渣を認める尿が提出された場合,多くは肛門からの混入(採尿時のコンタミネーション)が考えられる1).女性や乳児・高齢者では,しばしば採尿の際に糞便が混入し,尿沈渣像に食物残渣がみられる1)

 肛門からの混入であれば臨床的意義は乏しい2).しかし,大腸癌が膀胱に浸潤した膀胱腸瘻の場合にも尿沈渣像に食物残渣が認められる.膀胱腸瘻の症例では,膀胱と腸管が交通して糞尿を呈し,それを契機に大腸癌が発見されることがあるため,注意深く観察する必要がある1)

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会 尿沈査検査法編集委員会:尿沈査検査法2010.日本臨床衛生検査技師会,2011
2)東間紘(監),横山貴,堀田茂:そこが知りたい尿沈渣検査.医歯薬出版,2006
3)宿谷賢一(監),山下美香,堀田真希:この尿でどこまで考えるか? 尿検査フォーラム2014資料集.シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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