検査と技術45巻3号

2017年03月発行

増刊号 一般検査ベーシックマスター 第2部　一般検査の「質」を保つTips＆Techniques Situation 3—結果と報告 寄生虫検査

—こんな症例と遭遇したとき，あなたならどうする？—鏡検時にアメーバのように動くものを認めた場合

著者： 福富裕之¹

所属機関： ¹株式会社昭和メディカルサイエンス検査部

ページ範囲：P.394 - P.396

Quality Controlのために

・検出されるアメーバ類で重要なものは，赤痢アメーバと髄液中の病原性自由生活アメーバなので，これらが検出された場合には迅速に報告を行う．

・鞭毛虫類，繊毛虫類，白血球などもアメーバ類と誤認する可能性があることを，理解しておく．

・アメーバ類の多くは短時間で運動性を失うので，できる限り画像に残しておく．

参考文献

1）福富裕之：尿中に寄生虫が検出されたときの考え方，対処法．検と技　44：1230-1234，2016

2）藤本清，八木昭宏：日常の知覚方略の現れとしての運動錯視．人文論究　54：41-53，2004

3）清水徹之介，冨士原彰，小林正直，他：腹腔内に破裂したアメーバ性肝膿瘍の1例．日臨外会誌　62：3002-3007，2001

4）Jian B, Kolansky AS, Baloach ZW, et al：Entamoeba gingivalis pulmonary abscess-diagnosed by fine needle aspiration. Cytojournal Sep 30：12, 2008