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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻4号

2017年04月発行

文献概要

トピックス

国際標準検査管理加算

著者: 下田勝二1

所属機関: 1公益財団法人日本適合性認定協会認定センター

ページ範囲:P.436 - P.438

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国際標準検査管理加算誕生の背景

 日本政府は,健康・医療戦略を平成26(2014)年7月22日に閣議決定した1).このなかで,「国民の“健康寿命”の延伸」がテーマのひとつとされ,2030年の在るべき姿が示され,実現を目指すこととなった.基本理念には,世界最高水準の技術を用いた医療の提供として,医療分野の研究開発における基礎的な研究開発から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発の推進および成果の円滑な実用化により世界最高水準の医療の提供に寄与することが示されている.

 このような流れのなかで,厚生労働省事務連絡〔平成25(2013)年7月〕「治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について」2)が発出されており,治験または臨床研究を積極的に実施している医療機関では,検査精度を確保するためISO 15189などの外部評価による認定を取得することが示された.また,平成27(2015)年4月の医療法改正で臨床研究中核病院が定められ,これに関する厚生労働省通知「医療法の一部改正(臨床研究中核病院関係)の施行等について」3)において,新省令第22条の8に規定する「検査の正確性を確保するための設備を有する臨床検査施設」とは,国際標準化機構に定められた国際規格に基づく技術能力の認定を受けていることなど,その技術能力が国際的に認定されたと客観的に判断できる外部評価を受けた臨床検査室を意味するものであることが明示された.

参考文献

1)内閣官房健康・医療戦略室:第2回 健康・医療戦略推進本部決定資料 健康・医療戦略.閣議決定(平成26年7月22日),2014(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf)(2016年12月19日アクセス)
2)厚生労働省:治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について.厚生労働省事務連絡(平成25年7月1日),2013(http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/gcp130704_1.pdf)(2016年12月19日アクセス)
3)厚生労働省:医療法の一部改正(臨床研究中核病院関係)の施行等について.医政発0331第69号(平成27年3月31日),2015(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/150402-01.pdf)(2016年12月19日アクセス)
4)厚生労働省:中央社会保険医療協議会総会(第328回)議事次第,2016(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000111936.html)(2016年12月19日アクセス)
5)厚生労働省:中医協 総-1 28.2.10 個別改定項目について,2016(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000112306.pdf)(2016年12月19日アクセス)
6)厚生労働省:疑義解釈資料の送付について(その2).厚生労働省保険局医療課事務連絡(平成28年4月25日),2016(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=352020&name=file/06-Seisakujouhou-12400000)(2016年12月19日アクセス)
7)公益財団法人日本適合性認定協会認定センター:認定を受けるための手順及び権利と義務(臨床検査室),第6版.JAB RM200:2016,2016(http://www.jab.or.jp/files/items/2208/File/RM2002016V6.pdf)(2016年12月19日アクセス)
8)下田勝二:トピックス:進化し続けるISO 15189(1)ISO 15189—最新情報と未来展望.臨病理 64:157-161,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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