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レプトスピラ感染症
著者: 八幡照幸1
所属機関: 1沖縄県立中部病院臨床検査科細菌検査室
ページ範囲:P.520 - P.523
文献購入ページに移動レプトスピラ感染症は亜熱帯地域を中心に世界中に広く分布する人獣共通感染症で,極地を除いた世界各国で発生が確認されている.WHO(World Health Organization)の試算によると毎年873,000人が発症し,48,600人が死亡していると予想されている1).豪雨期や作物栽培周期などに関連して季節的変動があり,大規模洪水災害時には集団発生も報告されている2).日本でも各地で秋疫,七日熱,天竜熱,波佐見熱,作州熱などの風土病として呼ばれており3,4),1970年代前半までは年間50〜250人の死亡者が報告されていたが3),現在は農作業の機械化,衛生環境の向上などにより著しく減少した.2003年11月には4類感染症に指定され,年間16〜48例の報告がある5).多くは沖縄の症例であるが,沖縄以外の地域でも,台風や洪水などの大規模水害の後にレプトスピラ感染症患者発生が報告されている.
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