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臨床医からの質問に答える
尿を使ったウイルス感染症の診断方法について教えてください.
著者: 有安早苗1
所属機関: 1国立病院機構福山医療センター 臨床検査科
ページ範囲:P.576 - P.579
文献購入ページに移動尿を検査材料としてウイルス感染を診断するためには,尿中にウイルスが存在することが前提となります.尿中にウイルスが排出されている状態をウイルス尿症と呼び,全身感染状態になると多くのウイルスでウイルス尿症の状態となります.特に麻疹,ムンプスに多く,サイトメガロウイルス感染,先天性風疹症候群では全身感染状態となってウイルス尿症が長期間続き,尿が感染源になることがあります1).一方で,尿路を感染の主座とするアデノウイルス11型やBKウイルス(ポリオーマウイルス)は初期よりウイルス尿症となり,尿検体が診断に重要な材料となります.同様に,性感染症である単純ヘルペスウイルス(2型)やヒトパピローマウイルスも尿検体中に認められます.
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