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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻5号

2017年05月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

尿を使ったウイルス感染症の診断方法について教えてください. 

著者: 有安早苗1

所属機関: 1国立病院機構福山医療センター 臨床検査科

ページ範囲:P.576 - P.579

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はじめに

 尿を検査材料としてウイルス感染を診断するためには,尿中にウイルスが存在することが前提となります.尿中にウイルスが排出されている状態をウイルス尿症と呼び,全身感染状態になると多くのウイルスでウイルス尿症の状態となります.特に麻疹,ムンプスに多く,サイトメガロウイルス感染,先天性風疹症候群では全身感染状態となってウイルス尿症が長期間続き,尿が感染源になることがあります1).一方で,尿路を感染の主座とするアデノウイルス11型やBKウイルス(ポリオーマウイルス)は初期よりウイルス尿症となり,尿検体が診断に重要な材料となります.同様に,性感染症である単純ヘルペスウイルス(2型)やヒトパピローマウイルスも尿検体中に認められます.

参考文献

1)高田賢藏(編):医科ウイルス学,第3版.南江堂,2009
2)高橋公太(編):腎移植のすべて,第1版.メジカルビュー社,2009
3)Ariyasu S, Yanai H, Sato M, et al : Simultaneous immunostaining with anti-S100P and anti-SV40 antibodies revealed the origin of BK virus-infected decoy cells in voided urine samples. Cytopathology 26:250-255,2015
4)有安早苗:感染症による細胞像変化.畠榮,則松良明,亀井敏昭,他(編):液状化検体細胞診断マニュアル,第1版.篠原出版新社,p128,2016
5)佐藤正和,有安早苗:免疫組織化学染色.亀井敏昭,谷山清己(編):アトラス 細胞診と病理診断,第1版.医学書院,p15,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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