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Escherichia属の新種Escherichia albertii
著者: 吉野修司1 水流奈己1 元明秀成1
所属機関: 1宮崎県衛生環境研究所微生物部
ページ範囲:P.720 - P.722
文献購入ページに移動Escherichia albertiiは,腸内細菌科に属するグラム陰性,通性嫌気性の非運動性桿菌で,当初,Hafnia alveiとして分離・同定されていた菌である.しかし,Huysら1)は分離されていた菌株がH. alveiとは異なる菌種であることを明らかにし,2003年にEscherichia属の新種として正式に命名された.なお,albertiiの名称は最初にこの菌をバングラデシュで報告した微生物学者John Albertに由来している.
自然界におけるE. albertiiの分布は不明な点が多いが,これまでヒト以外にトリ,ブタ,ネコなどからも分離されており,特にトリでは病原性を示すことが報告されている.また,近年ではE. albertiiによる集団食中毒がたびたび発生しており,食品だけでなく水が原因と考えられる比較的大規模な事例も報告されていることから2),注意すべき菌種の一つとなっている.
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