検査と技術45巻7号

2017年07月発行

技術講座 管理・その他

遺伝学的検査情報の取り扱い—倫理的側面まで含めて

著者： 中山智祥¹

所属機関： ¹日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野

ページ範囲：P.736 - P.742

Point

●遺伝学的検査情報の取り扱いに関する法令，指針，ガイドラインには省，学会，団体などが策定・作成したものがあり，遵守しなければならない．

●個人情報保護のため，遺伝情報にアクセスする医療者に十分な教育・研修を行うこと，遺伝情報のアクセス権限を設けることが重要である．

●医療施設，研究施設，衛生検査所によって遺伝学的検査情報の取り扱いについての留意点は異なる部分があり，関係している指針，ガイドラインに記載されている．

参考文献

1）中山智祥：日本総合健診医学会　第43回大会・シンポジウム1　遺伝子診断の現状と未来「分析の質の担保」．総合健診　42：396-402，2015

2）文部科学省，厚生労働省，経済産業省：ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針，2001（http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/sisin1.pdf）（2017年4月14日アクセス）

3）野村安以，吉澤剛：「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の改定をめぐる批判的談話分析．年報科学・技術・社会　22：47-88，2013

4）一般社団法人日本衛生検査所協会遺伝子検査受託倫理審査委員会：遺伝学的検査受託に関する倫理指針，2001（http://www.jrcla.or.jp/info/info/dna.pdf）（2017年4月14日アクセス）

5）首相官邸：個人情報の保護に関する法律（平成15年5月30日法律第57号），2003（https://www.ppc.go.jp/files/pdf/personal_law280101.pdf）（2017年4月14日アクセス）

6）日本遺伝カウンセリング学会，日本遺伝子診療学会，日本産科婦人科学会，他：遺伝学的検査に関するガイドライン，2003（http://jshg.jp/e/resources/data/10academies.pdf）（2017年4月14日アクセス）

7）国際連合教育科学文化機関：ヒト遺伝情報に関する国際宣言，2003（http://www.mext.go.jp/unesco/009/005/004.pdf）（2017年4月14日アクセス）

8）厚生労働省：医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン，2004（http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170805-11a.pdf）（2017年4月14日アクセス）

9）日本臨床検査医学会，日本人類遺伝学会，日本臨床検査標準協議会：ファーマコゲノミクス検査の運用指針，2009（http://jshg.jp/resources/data/120702PGx.pdf）（2017年4月14日アクセス）

10）日本医学会：医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン，2011（http://jams.med.or.jp/guideline/genetics-diagnosis.pdf）（2017年4月14日アクセス）

11）日本人類遺伝学会：DTC遺伝学的検査に関する見解，2008（http://jshg.jp/dtc/）（2017年4月14日アクセス）