文献詳細
文献概要
病気のはなし
炎症性腸疾患
著者: 日比紀文1
所属機関: 1北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター
ページ範囲:P.802 - P.807
文献購入ページに移動Point
●原因不明で根本治療がなく,過去には難治性疾患といわれていたが,治療の進歩により多くの方が通常生活を送れるようになってきた.
●その病態は,腸管内の微生物などに対する免疫異常反応により慢性の炎症が生じ,なりやすい体質があると考えられている.
●診断には臨床症状に加え,内視鏡などの画像検査や病理学的検査が重要である.
●治療は,炎症抑制と免疫異常反応抑制が中心で,炎症のある活動期を抑え(寛解導入),炎症の再燃を防ぐことを続ける(寛解維持)ことが重要である.
●原因不明で根本治療がなく,過去には難治性疾患といわれていたが,治療の進歩により多くの方が通常生活を送れるようになってきた.
●その病態は,腸管内の微生物などに対する免疫異常反応により慢性の炎症が生じ,なりやすい体質があると考えられている.
●診断には臨床症状に加え,内視鏡などの画像検査や病理学的検査が重要である.
●治療は,炎症抑制と免疫異常反応抑制が中心で,炎症のある活動期を抑え(寛解導入),炎症の再燃を防ぐことを続ける(寛解維持)ことが重要である.
参考文献
1)Hugot JP, Chamaillard M, Zouali H, et al : Association of NOD2 leucine-rich repeat variants with susceptibility to Crohn's disease. Nature 411:599-603,2001
2)Ogura Y, Bonen DK, Inohara N, et al : A frameshift mutation in NOD2 associated with susceptibility to Crohn's disease. Nature 411:603-606,2001
3)Inoue N, Tamura K, Kinouchi Y, et al : Lack of common NOD2 variants in Japanese patients with Crohn's disease. Gastroenterology 123:86-91,2002
4)厚生労働省:衛生行政報告例:結果の概要(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19a.html)(2017年5月22日アクセス)
5)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班):潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針.平成27年度分担研究報告書 別冊,平成28年3月
6)日本消化器病学会(編):炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016.南江堂,2016
7)Yoshimura N, Watanabe M, Motoya S, et al : Safety and Efficacy of AJM300, an Oral Antagonist of α4 Integrin, in Induction Therapy for Patients With Active Ulcerative Colitis. Gastroenterology 149:1775-1783,2015
掲載誌情報