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文献詳細

雑誌文献

検査と技術45巻8号

2017年08月発行

臨床検査のピットフォール

日常検査で見過ごされやすいClostridium属菌に注意!

著者: 大門康志1

所属機関: 1京都大学ウイルス・再生医科学研究所生命システム研究部門生体膜システム分野

ページ範囲:P.880 - P.883

文献概要

はじめに

 Clostridium属は,芽胞を有する直線状の偏性嫌気性グラム陽性桿菌と認識されている場合が多いが,実際の臨床現場で遭遇する本菌属には,グラム陰性に染まるものや,紡錘型のもの,好気培養で生育する菌種があり,Bacteroides属,Fusobacterium属,Lactobacillus属などと誤同定されがちである.これらを見逃さないためには,認識とは異なるClostridium属菌の存在を念頭に置いて分離・同定を行う必要がある.本稿では,これらの誤同定されやすいClostridium属菌の代表例として,C. clostridioforme groupおよびC. tertiumについて概説する.

参考文献

1)Jousimies-Somer HR, Summanen P, Citron DM, et al : Wadsworth-KTL Anaerobic Bacteriology Manual, 6th ed. Star Publishing Company, Clostridia, pp106-114, 2002
2)大門康志,田中香お里,渡邉邦友:嫌気性グラム陰性桿菌として見過ごされやすいフットボール型Clostridiumの同定に関する検討.日臨微生物誌 20:9-19,2010
3)大門康志,田中香お里,渡邉邦友:本邦で認知度が低いClostridiumの臨床材料からの分離状況と薬剤感受性.感染症誌 82:205-212,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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