icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻10号

2018年10月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

—非糸球体型赤血球なのに糸球体型赤血球と間違いやすい—膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球の鑑別

著者: 野崎司1 浅井さとみ2 宮地勇人2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学医学部付属病院基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.1187 - P.1191

文献購入ページに移動
はじめに

 上部尿路(糸球体性血尿)と下部尿路(非糸球体性血尿)の出血では,尿中に認める赤血球形態が異なり,出血部位を推定するうえで重要な情報となる.一般に糸球体からの出血(糸球体性血尿)の場合,赤血球がコブ状,標的状,ドーナツ状など,標本内の赤血球形態は多彩となる(図1).

 しかし,赤血球形態は尿比重,pHをはじめとする尿中に含まれる諸因子によっても形態変化をきたし,両者の鑑別に苦慮する場合がある.本稿では非糸球体型赤血球のなかで,近年,新たに報告された膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球(以下,膜部顆粒赤血球)1)の鑑別ポイントおよびその背景の特徴を述べる.

参考文献

1)上東野誉司美,八木靖二,友田美穂子,他:前立腺生検後の尿中に出現する特有な形態を示す赤血球の検討.医学検査 61:9-13,2012
2)伊藤機一(監),野崎司,高橋二美子,他:尿沈渣ガイドブック.東海大学出版部,2000
3)伊藤機一(監),宮地勇人,浅井さとみ,他(編著):尿沈渣アトラス.シスメックス学術本部,2012
4)尿沈渣検査法編集委員会(編):尿沈渣検査法2010.日本臨床衛生検査技師会,2011
5)野崎司,浅井さとみ,宮地勇人:尿沈渣検査のピットフォール 尿中赤血球形態に関するピットフォール.Med Technol 45:448-458,2017
6)宮地勇人,野崎司:USクリニカルレポート特集号 尿中赤血球形態の鑑別—糸球体型?非糸球体型?判断に悩むボーダーラインの鑑別ポイント.栄研化学,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?