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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻11号

2018年11月発行

文献概要

トピックス

臨床検査技師そして臨床エンブリオロジストとして

著者: 西博子1

所属機関: 1レディスクリニックコスモス培養室

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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はじめに

 「将来子どもが欲しい」「親に孫の顔を見せてあげたい」など,将来の家族像を思い描き,そのうち自分も親になるだろうと考えた経験はあるかもしれない.では,「もしかしたら自分(もしくはパートナー)は出産できないかもしれない」,そんなことを考えた経験はあるだろうか.

 現在,わが国で不妊に悩むカップルは5.5組に1組といわれており,なんらかの不妊治療を受けている人は50万人と推測されている1).最近ではSNS(social networking service)の普及により,以前と比べ不妊治療が語られる社会に変化しつつあるようだが,この治療を支える生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)での生産率が意外と低いことはあまり周知されていない(図1)2).そのため,治療を繰り返しても期待どおりの結果にならないことも多く,患者からは「出口のないトンネルに入り込んだようだ」とよく表現される.

 このような背景の下,ARTの現場で卵子や精子を扱い,胚を培養・移植・凍結することで,医師らとともに患者の挙児希望に応えようとするのが臨床エンブリオロジストや生殖補助医療胚培養士である.この資格はいまや世界一の不妊治療大国となったわが国では欠かすことのできない存在となっている.

参考文献

1)NPO法人Fine:不妊について—不妊とは(http://j-fine.jp/infertility/about.html)(2018年4月29日アクセス)
2)日本産科婦人科学会登録・調査小委員会:ARTデータブック,2015年PDF版.ART妊娠率・生産率・流産率2015(https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2015data_201709.pdf)(2018年4月29日アクセス)
3)日本産科婦人科学会:一般のみなさまへ—病気を知ろう:不妊関連(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/funin.html)(2018年4月29日アクセス)
4)Veeck L : Atlas of Human Oocyte and Early Conceptus. Williams&Wilkins, Baltimore, pp121-149,1991
5)Gardner DK, Schoolcraft WB : Toward reproductive certainty : fertility and genetics beyond. Parthenon Publishing, Cornforth, UK, pp378-388,1999
6)平山史朗:妊活に疲れたら,開く本.主婦の友社,pp27-30,2017
7)日本臨床エンブリオロジスト学会:第23回日本臨床エンブリオロジスト学会アンケートまとめ.p4,2018(http://embryologist.jp/special/index.asp?id=25248)(2018年4月29日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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