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文献概要
連載 生理検査のアーチファクト・20
—神経伝導検査⑤—刺激の波及
著者: 伊藤栄祐1
所属機関: 1旭川医科大学病院臨床検査・輸血部
ページ範囲:P.1382 - P.1383
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図1は,同一健常被検者の手首の正中神経を刺激し,短母指外転筋(abductor pollicis brevis:APB)から電位を導出した運動神経伝導検査の結果である.これらはある一点を除き,全て同じ条件で記録した複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)の波形である.2つの波形を比較すると,①−APBに比べて②−APBは振幅が高く,起始潜時部分に初期陽性波を伴っているのがわかる(図1).電極位置やフィルター設定などは同じなのに,どうしてこのような変化が起こるのだろうか?
図1は,同一健常被検者の手首の正中神経を刺激し,短母指外転筋(abductor pollicis brevis:APB)から電位を導出した運動神経伝導検査の結果である.これらはある一点を除き,全て同じ条件で記録した複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)の波形である.2つの波形を比較すると,①−APBに比べて②−APBは振幅が高く,起始潜時部分に初期陽性波を伴っているのがわかる(図1).電極位置やフィルター設定などは同じなのに,どうしてこのような変化が起こるのだろうか?
参考文献
1)園生雅弘:神経伝導検査における刺激の波及(current spread)現象.臨神生 42:21-30,2014
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