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病気のはなし
細菌性髄膜炎
著者: 星野直1
所属機関: 1千葉県こども病院感染症科
ページ範囲:P.92 - P.98
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●細菌性髄膜炎は,菌血症を介して発症する侵襲性細菌感染症であり,死亡例を5%程度,後遺症を15%程度認める重篤な細菌感染症である.
●インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン,肺炎球菌結合型ワクチンの普及により,細菌性髄膜炎を中心とした小児侵襲性細菌感染症の疫学は大きく変化した.
●乳児細菌性髄膜炎は,非典型的症状で発症することがあり,診断に際し注意が必要である.
●初期治療では,想定される原因菌や薬剤耐性を考慮した強力な抗菌薬療法を行う.抗菌薬の併用を要することも少なくない.
●細菌性髄膜炎は,菌血症を介して発症する侵襲性細菌感染症であり,死亡例を5%程度,後遺症を15%程度認める重篤な細菌感染症である.
●インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン,肺炎球菌結合型ワクチンの普及により,細菌性髄膜炎を中心とした小児侵襲性細菌感染症の疫学は大きく変化した.
●乳児細菌性髄膜炎は,非典型的症状で発症することがあり,診断に際し注意が必要である.
●初期治療では,想定される原因菌や薬剤耐性を考慮した強力な抗菌薬療法を行う.抗菌薬の併用を要することも少なくない.
参考文献
1)新庄正宜,岩田敏,佐藤吉壮,他:本邦における小児細菌性髄膜炎の動向(2009-2010).感染症誌 86:582-591,2012
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3)庵原俊昭,柴山恵吾,中野貴司,他:Hib,肺炎球菌,HPV及びロタウイルスワクチンの各ワクチンの有効性,安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的研究.平成27年度第2回庵原・神谷班研究班会議資料,2015
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