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文献概要
増刊号 感染症クイックリファレンス 原因微生物 グラム陰性桿菌
Escherichia coli
著者: 中村竜也1
所属機関: 1神戸大学医学部附属病院検査部・感染制御部
ページ範囲:P.222 - P.223
文献購入ページに移動和名 大腸菌
◎性状と特徴
大きさ0.4〜0.7×1.0〜4.0μmのグラム陰性桿菌.多くは周毛性O鞭毛をもち,活発に運動する.発育温度は10〜45℃,至適温度は37℃.BTB(bromothymol blue)乳糖加寒天培地では黄色の集落を形成する.SS(Salmonella-Shigella)寒天培地,マッコンキー(MacConkey)寒天培地,DHL(deoxycholate-hydrogen sulfide-lactose)寒天培地では赤色の集落を作り,培地は混濁赤変する.
乳糖・白糖を分解,ブドウ糖を分解し,ガス産生陽性.インドールテストとリジン脱炭酸テストが陽性,硫化水素非産生.VP(Voges-Proskauer)テストとクエン酸塩利用テストは陰性.組織侵入性大腸菌などの一部の病原性大腸菌は,ガスを産生せず,非運動性,乳糖・白糖非分解,リジン脱炭酸テスト陰性であり,赤痢菌に類似している.
参考文献
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