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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻3号

2018年03月発行

増刊号 感染症クイックリファレンス

原因微生物 嫌気性菌

Fusobacterium spp.

著者: 品川雅明1

所属機関: 1札幌医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.262 - P.263

文献概要

学名 Fusobacterium spp.(フソバクテリウム属菌)

和名 なし

◎性状と特徴

 Fusobacterium spp.は,非芽胞形成のグラム陰性偏性嫌気性菌であり,21の種,7の亜種が登録されている(2017年12月現在)1).属名の語源は,ラテン語のfusus(紡錘状)の小桿菌である.
①培養

 Fusobacterium spp.は,Bacteroides spp.やPrevotella spp.と同様に“厳密な意味での偏性嫌気性菌”に属し,酸素濃度0.05%以下の環境でのみ,固形培地表面に発育できる細菌である2).そのため,検体採取から培養開始までに厳密な対応を取らなければ検出率に影響する.ブルセラHK寒天培地上で,35〜37℃,2〜4日間で集落が確認できる.

参考文献

1)LPSN bacterio. net: List of prokaryotic names with standing in nomenclature(http://www.bacterio.net/)(2017年12月19日アクセス)
2)日本臨床微生物学会検査法マニュアル作成委員会,他:嫌気性菌検査ガイドライン2012.日臨微生物誌 22:1-142,2012
3)岡田淳,他:臨床検査学講座 微生物学/臨床微生物学,第3版.医歯薬出版,pp246-247,2011
4)川村千鶴子,他:5年間で経験したFsobacteriumが関与する感染症 108例の臨床細菌学解析.感染症誌 76:23-31,2002
5)Am J Med, 1983[PMID:6881174]
6)渡邉邦友:いわゆる嫌気性菌が関与する感染症に関する最近の話題.感染症誌 80:76-83,2006
7)大草敏史:Fusobacteriumと潰瘍性大腸炎,大腸癌.腸内細菌誌 27:169-179,2013
8)Antimicrob Agents Chemother, 2006[PMID:16870757]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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