文献詳細
増刊号 感染症クイックリファレンス
臓器 その他
文献概要
◎定義
①結核症
肺結核は肺に病変があり,気道検体(喀痰,胃液,気管支肺胞洗浄液など)より,Mycobacterium tuberculosis▲28を検出する場合をいう1).肺外結核を疑う場合(例えば胸膜炎,髄膜炎,心膜炎)は,それらの局所検体よりM. tuberculosis▲28が検出される場合をいう.
②非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌症とは,結核菌群とらい菌群以外の抗酸菌〔非結核性抗酸菌(Non-tuberculosis mycobacteria:NTM)▲29〕によって起こる感染症である.M. tuberculosis▲28と異なり,NTM▲29の多くは環境生息菌である.そのため,肺非結核性抗酸菌症の診断には喀痰や胃液など,身体の外と交通のある部位から得られた検体の場合には混入(contamination)や腐生(colonization)との鑑別が必要となる.1回の検出では混入や腐生の可能性があるため,日本結核病学会の診断基準では喀痰からは2回以上の検出を必要とする.気管支鏡での気管支洗浄液であれば1回でよいとされる(表1)2).
①結核症
肺結核は肺に病変があり,気道検体(喀痰,胃液,気管支肺胞洗浄液など)より,Mycobacterium tuberculosis▲28を検出する場合をいう1).肺外結核を疑う場合(例えば胸膜炎,髄膜炎,心膜炎)は,それらの局所検体よりM. tuberculosis▲28が検出される場合をいう.
②非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌症とは,結核菌群とらい菌群以外の抗酸菌〔非結核性抗酸菌(Non-tuberculosis mycobacteria:NTM)▲29〕によって起こる感染症である.M. tuberculosis▲28と異なり,NTM▲29の多くは環境生息菌である.そのため,肺非結核性抗酸菌症の診断には喀痰や胃液など,身体の外と交通のある部位から得られた検体の場合には混入(contamination)や腐生(colonization)との鑑別が必要となる.1回の検出では混入や腐生の可能性があるため,日本結核病学会の診断基準では喀痰からは2回以上の検出を必要とする.気管支鏡での気管支洗浄液であれば1回でよいとされる(表1)2).
参考文献
1)日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会(編):結核菌検査指針2007.結核予防会,2007
2)日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会,他:肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針—2008.結核 83:525-526,2008
3)Emerg Infect Dis, 2016[PMID:27191735]
4)Am J Respir Crit Care Med, 2007[PMID:17277290].
5)日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会,他:肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解—2012.結核 87:83-86,2012
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