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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻4号

2018年04月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

細胞診の依頼書には,どんな臨床情報を書いておくとよいですか.

著者: 加藤隆1

所属機関: 1JA北海道厚生連札幌厚生病院医療技術部臨床検査技術科

ページ範囲:P.475 - P.479

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細胞診とは

 細胞診は,形態学的な検査・診断方法の1つであり,生体から剝離した細胞や穿刺吸引した細胞を観察し,腫瘍の有無,良・悪性,組織型,浸潤の程度,治療効果などについて判定を行うものです.細胞診の結果によって手術の適否や治療方針が決定される場合もあり,重要な検査となります.顕微鏡下で細胞診標本を観察する際には,患者情報(年齢・性別),採取部位・採取方法,臨床診断(各種検査データ,画像所見),臨床経過(既往歴),検査目的など全ての情報を念頭に置き,細胞形態をもとに鑑別すべき疾患を除外しながら診断します.

 よってそれらの基本的情報が伝わっていないと,細胞学的診断に重大な誤診や支障を生じる可能性が少なからずあります.正確で迅速な細胞診断を行うには,臨床医の協力が不可欠です.適正な細胞診検体の取り扱いや必要十分な臨床情報の提供および病理・臨床間の円滑な連携が,正確な細胞診断には非常に重要です.

参考文献

1)羽賀博典:依頼書と病理診断報告書のあり方.病理と臨 26:87-92,2008
2)浅野敦:検体提出時には臨床情報も伝えなくてはダメ! Med Technol 42:1470-1473,2014
3)笹野公伸,森谷卓也,真鍋俊明(編):臨床医・初期研修医のための病理検査室利用ガイド.文光堂,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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