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連載 生理検査のアーチファクト・13
—脳波検査③—電極の不良による脳波のアーチファクト
著者: 石郷景子1
所属機関: 1大垣市民病院医療技術部診療検査科生理機能検査室
ページ範囲:P.486 - P.489
文献購入ページに移動図1〜4のうち図1,3,4の□と図2の◯にみられる波形はなんでしょうか? 図1,2はよくみられる波形である.図1の□で囲んだ波形のうちFp2-A2に出現しているのは脳波検査①(本誌46巻1号,61〜64頁)で解説した眼球運動である(●).左側のみに出現している不規則な基線の揺れは左耳朶からの電極の接触不良が原因で混入してくる(●).図2は双極誘導を示し,◯の波形はF7に限局しておりCH3とCH4では向き合っていない.sharp waveであれば向き合うはずである.図3の□で囲んだ波形は左後頭部に徐波がみられるが,これも後頭部に限局しており電極の接触不良,たとえば電極が浮いている可能性が示唆される.図4の□で囲んだ波形もF3-A1に限局しているが,spike(持続1/50〜1/14秒以下)にするには周波数がより大きく比較的規則的である.図4の◯もCz-A1に限局しているのでアーチファクトといえる.どの波形も基準電極では1つの電極に限局していること,双極誘導では波形が向き合っていないことなどからアーチファクトと判断できる.
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