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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻4号

2018年04月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

末梢血塗抹標本作製時の乾燥法と血小板形態

著者: 金田直輝1 細川一磨1 山本千恵1 満谷進1

所属機関: 1神戸徳洲会病院検査部

ページ範囲:P.496 - P.497

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はじめに

 血液塗抹標本上の大型(幼若,網状)血小板比率の増加と血小板大小不同の所見は,骨髄における血小板生成の亢進を示唆し,血小板減少症の病態を推測するうえで重要な指標となり,また,血小板増多症における血栓症の危険因子にもなりうるといわれる.

 しかし,標本作製時の乾燥法の違い,すなわち,欧米で一般的な自然乾燥1)か,日本でほぼ標準化されている冷風による強制乾燥2)かによって,リンパ球のみならず血小板の形態が著しく相違する事実3)は,現在必ずしも十分に認識されているとは思われない.

参考文献

1)Houen B : Blood film preparation and staining procedures. Lab Hematol 6:1-7,2000
2)日本臨床衛生検査技師会・血液形態検査標準化ワーキンググループ:血液形態検査に関する勧告法.医学検査 45:1659-1671,1996
3)満谷進,猪飼朗:血液塗抹検査のpitfall.医事新報 3941:33-36,1999
4)神尾昌則,北堅吉:慢性リンパ系白血病の診断におけるスメアー標本作製法の問題点について.日網会誌 34:136,1994
5)大仲壽美,上田文明,道根るり子,他:血球形態像の観察における自然乾燥標本の有用性についての検討.医学検査 45:868-871,1996
6)青木定夫:慢性リンパ性白血病.臨血 55:213-222,2014
7)常名政弘:標本作製時の注意点.検と技 43:846-848,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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