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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻5号

2018年05月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈管理・その他〉

JLACの現状と課題

著者: 真鍋史朗1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座医療情報学

ページ範囲:P.592 - P.596

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はじめに

 検査結果を転記することを考えてみる.人が処理を行うときは,項目を見て書き写すため,項目名が漢字であろうとカタカナであろうと,少々間違いがあったとしても,それを補正して転記することができる(ただし,転記ミスが起きる可能性はある).しかし,コンピューターを用いて処理を行うときは,項目名が全く同じでないと,それは違うものとして捉えられるので,違った項目として転記されることになる.コンピューターを用いてデータ処理を行う際は,その間違いが極力少なくなるよう,項目名などはコードに置き換えられる.

 医療におけるビッグデータの代表的なものとして,臨床検査データがある.臨床検査データをいろいろな施設から集めて,個人の検査値の推移を見る,臨床研究などで比較するためのデータとして利用するなど,さまざまな活用方法が考えられるが,そのためには,同じ項目は同じコードにしなければならない.そのような用途で使えるコードとして,わが国では,一般財団法人医療情報システム開発センター(Medical Information System Development Center:MEDIS-DC)の臨床検査マスターが標準コードとして厚生労働省より認可されている.ただ,臨床検査マスターは,臨床検査医学会が管理・運用している臨床検査項目分類コード(japan laboratory code:JLAC)を基に作成されているため,生化学などの検体検査に関しては実質的にJLACが標準コードとなっている.現在使われているのは,第10回改訂版のJLACであり,これはJLAC10(JLAC version10)と呼ばれている.

参考文献

1)櫻林郁之介:臨床検査情報のコード化.臨病理 45:573-576,1997
2)佐藤和孝,吉田澄人:臨床検査部門における特定健診基本健診項目の基準値の実態.日医総合研ワーキングペーパー 193:54-61,2009
3)真鍋史朗,清水一範,山田修,他:JLAC11のデザイン.臨病理 65:482-488,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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