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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻6号

2018年06月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈一般〉

三重病院での便中好酸球検査の運用

著者: 山本健太郎1 薄木那智2 小林学2 多和田行男2 小堀大河3 長尾みづほ3 藤澤隆夫3

所属機関: 1三重中央医療センター臨床検査科 2独立行政法人国立病院機構三重病院検査科 3独立行政法人国立病院機構三重病院小児科

ページ範囲:P.668 - P.672

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はじめに

 消化管アレルギーとは,特定の食品を摂取することで腹痛や下痢,嘔吐などの消化器症状が出る疾患である.免疫学的機序によりIgE依存性と非IgE依存性とに分類される1).新生児・乳児消化管アレルギーなどの非IgE依存性アレルギーは血清中のIgE抗体価は必ずしも上昇しないため,診断には便中好酸球といった局所の所見が参考になる.しかし,便中好酸球を測定するにあたり,確立された方法はなく,手探りであることも多い2,3).そこで三重病院にて簡便かつ診断性能に優れた検査方法について検討し,臨床での有用性が得られたため報告する.

参考文献

1)海老澤元宏(研究代表者):厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2014
2)岩田幸蔵:便による新生児・乳児消化管アレルギー検査—便中好酸球検出方法.検と技 38:450-452,2010
3)平野清美,下条直樹,勝木利行,他:正常新生児・乳児の便粘液中に出現する好酸球の解析:食物アレルギー患者における便粘液中好酸球の動態との比較.アレルギー 46:594-601,1997
4)新生児−乳児アレルギー疾患研究会ホームページ:便中好酸球(http://nrichd.ncchd.go.jp/imal/FPIES/kensa/benchu.html)(2018年4月7日アクセス)
5)難病情報センターホームページ:好酸球性消化管疾患(新生児−乳児食物蛋白誘発胃腸炎)(指定難病98)(http//www.nanbyou.or.jp/entry/3932)(2018年4月7日アクセス)
6)朝隈真一郎:鼻汁好酸球検査からみた鼻疾患患者の動態.耳鼻 43:608-613,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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