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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻6号

2018年06月発行

文献概要

連載 生理検査のアーチファクト・15

—脳波検査⑤—体動による脳波のアーチファクト

著者: 石郷景子1

所属機関: 1大垣市民病院医療技術部診療検査科生理機能検査室

ページ範囲:P.674 - P.677

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こんなアーチファクトを知っていますか?

 脳波検査の連載も最後の回である.図1〜4のうち,図1,3,4の↑,図2の□で囲んだ電極チャンネル(O1-A1)の波形はなんだろうか?

 図1は10カ月,男児の脳波である.睡眠脳波であるが,乳児は寝ていても時折ピクっと動くときがある.↑は小さい体のため体全身で動いてしまい,大きく動いた後,波形が平たんになってしまった部分である.図2は74歳,男性の脳波である.過呼吸賦活中であり,後頭部,特に左側(□)がベッドに接している.頭を動かしながら過呼吸をしているために過呼吸に一致して基線の揺れが入る.図3は18歳,女性の脳波である.軽度発達遅滞があり頭を左右に動かすと筋電図と基線の揺れが入る(↑).図4は在胎25週6日,男児の脳波である.この年齢の脳波は非連続性であるが,↑のように規則的に波形が混入しているのがわかる.一見,周期性同期性放電(periodic synchronous discharge:PSD)のようにも思えるが,脳波,眼球,オトガイ,心電図の全誘導に入っている.これはしゃっくりによるアーチファクトである.実際に記録した技師にしかわからない波形である.

参考文献

1)大熊輝雄:臨床脳波学,第5版.医学書院,pp60-66,1999
2)石郷景子:2.脳波検査の基礎技術 1)電極の装着とアーチファクト対策.Med Technol 42:537-541,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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