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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻7号

2018年07月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

LDL-C値の測定法には計算式と直接法がありますが,使い分けや注意点はありますか? 

著者: 三井田孝1

所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科臨床病態検査医学

ページ範囲:P.794 - P.798

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はじめに

 LDL(広義)は,low-density lipoprotein(低比重リポ蛋白)の略称で,比重が1.006〜1.063のリポ蛋白である.LDLはリポ蛋白のなかで最もコレステロール含有率が高く,中間比重リポ蛋白(intermediate-density lipoprotein:IDL,比重1.006〜1.019)と,狭義のLDL(比重1.019〜1.063)に分けられ,LDL分画中のコレステロール濃度をLDLコレステロール(LDL-cholesterol:LDL-C)と呼ぶ.臨床検査では,LDL-Cは広義のLDL分画のコレステロール濃度として測定されている.

 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」1)では,高コレステロール血症をLDL-Cの値に基づき診断する.本ガイドラインでは,10年以内の冠動脈疾患発症率を吹田スコアで計算し,血清脂質の管理目標値を設定する.吹田スコアの計算にはLDL-C値が必要であり,正確な値であることが求められる.臨床的には,LDL-C値は計算式かLDL-C直接法により測定される.

参考文献

1)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版.日本動脈硬化学会,2017
2)Miida T, Nishimura K, Okamura T, et al : A multicenter study on the precision and accuracy of homogeneous assays for LDL-cholesterol : comparison with a β-quantification method using fresh serum obtained from non-diseased and diseased subjects. Atherosclerosis 225:208-215,2012
3)三井田孝,上野剛:悪玉が悪玉にだまされる? —LDLコレステロール.Med Technol 43:878-885,2015
4)Miller WG, Myers GL, Sakurabayashi I, et al : Seven direct methods for measuring HDL and LDL cholesterol compared with ultracentrifugation reference measurement procedures. Clin Chem 56:977-986,2010
5)Miida T, Nishimura K, Hirayama S, et al : Homogeneous Assays for LDL-C and HDL-C are Reliable in Both the Postprandial and Fasting State. J Atheroscler Thromb 24:583-599,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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