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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻8号

2018年08月発行

文献概要

FOCUS

微生物検査室をもたない検査室に必要な微生物検査の知識

著者: 中村久子1 木村聡2

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院臨床病理検査室 2昭和大学横浜市北部病院臨床病理診断科

ページ範囲:P.834 - P.837

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はじめに

 2016年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が策定され,薬剤耐性菌の対策に国を挙げて取り組む姿勢が求められるようになった.しかし,AMR対策の要となる微生物検査室が,度重なるコストダウンの圧力で外注化されるケースも少なくない.外部委託に伴う大きなデメリットは,常在菌や弱毒菌による感染の見逃し,結果報告の遅延,主治医にしか情報が行かないことによるアウトブレイク把握の困難性などがある1).しかし,たとえ微生物検査室がない不利な条件であっても,感染対策に携わるスタッフは微生物検査の結果と向き合わなければならない.本稿では微生物検査が専門ではない臨床検査技師のため,特に迅速な対応と対策が求められる薬剤耐性菌についてお伝えする.

参考文献

1)木村聡:細菌検査の院外委託に伴う問題点.医事新報 4314:78-79,2006
2)厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業:検査部門JANIS(一般向け)期報・年報 2016年(全体)年報(https://janis.mhlw.go.jp/report/open_report/2016/3/1/ken_Open_Report_201600.pdf)(2018年5月16日アクセス)
3)日本臨床微生物学会:耐性菌検査法ガイド.日臨微生物誌 27(Suppl 3)1-135,2017
4)MRSA感染症の治療ガイドライン作成委員会:MRSA感染症の治療ガイドライン−2017年改訂版.日本化学療法学会,日本感染症学会,p6,2017
5)van der Zwaluw K, de Haan A, Pluister GN, et al : The carbapenem inactivation method (CIM), a simple and low-cost alternative for the Carba NP test to assess phenotypic carbapenemase activity in gram-negative rods. PLoS One 10:e0123690,2015
6)日本臨床衛生検査技師会(監):臨床微生物検査技術教本.丸善出版,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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